日本で初めての販促品・ノベルティ(販促品の歴史)

2017年04月03日
日本で初めての販促品・ノベルティ(販促品の歴史)

■引き札がノベルティの始まり


企業やグループなどのロゴや社名、キャラクターが印刷された販促品は、オープニングや創立何周年といった記念として配られたり、イベントなどで配布されたり、街中で配られたりと、いろいろな入手経路で会社や家庭にひとつはあるといえる、大変身近なものでしょう。

そんな販促品のはじまりは、今からおおよそ400年ほど前の江戸時代に盛んだった「引き札」までさかのぼることができます。引き札は江戸時代の中期、17世紀後半ごろに登場しました。江戸時代中後期、江戸の町人によるさまざまな文化が花開いた化政文化が栄えた時期には、今で言うノベルティがしっかりと根付いていたようです。
引き札自体は、鎌倉時代の僧侶で時宗の開祖である一遍上人が、南無阿弥陀仏とお経が書かれたお札を配ったことに由来をしていると考えられています。全国を行脚して歩いた一遍上人が配った引き札は数十万枚ともいわれています。

最初に販促品としての引き札を考え付いたのは、日本橋で呉服を取り扱っていた越後屋でした。越後屋は画期的な商売の方法をいくつも考案したことで、日本一の大店になった商店です。呉服を作るために必要な反物は、それまでは一反丸ごとでしか販売していませんでした。それを客の希望に合わせてほんのわずかな長さでも切り売りをするようになり、大変人気を博したと言われています。
また、それまでは大名家や代官などの役人相手のみの商売で、武士相手は付け払いが通常だったため、年に1、2回まとめて代金を回収する「掛け値」、今でいう売掛金が当たり前でした。しかし、そのような回収では非常に効率が悪いだけでなく、回収ができないことも多々起こります。そこで越後屋はその当時生活が豊かになった江戸の町人をメインターゲットにすることを考え、付け払いが当たり前だった売り方を現金払いに変えました。商品に「値札」を付け、値札の価格で販売する現金払いを採用したのです。この時配ったのが「現金安売り掛け値なし」と書かれた引き札で、これが大量に配布された記録が残っています。
今では当たり前となっている、当時としては非常に画期的な商売方法を取り入れていった越後屋は、今でも日本の流行の最先端を行くデパートの始祖となりました。引き札も越後屋ならではの商売手法のひとつで、現在でいう広告やチラシに該当する紙です。引き札という名称は、お客を引きつける、もしくは配るという意味からきているなどいくつかの説があります。


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■見た目の華やかさが特徴

日本で初めての販促品・ノベルティ(販促品の歴史)

現在のチラシやノベルティが目を引くデザインで作られているように、当時の引き札も華やかな見た目をしていました。引き札には宣伝文句の他にも、この紙を持参すると割引になるなど、今でいうクーポンのような役割もしていたとされています。当初は単色で印刷された紙だったのが、木版印刷技術が発展し、浮世絵文化が盛んになるにつれて、カラフルな色合いで、しかも大量に印刷できるようになったことも引き札が広まる一因となりました。


大きな商店では大量に刷り、多くの人が行きかう大きな通りで、ひろめ屋という広告業者に依頼をして、文字通り引き札をばら撒いて宣伝をしていたといわれています。現在では、引き札は芸術品としても人気があり、美術館やギャラリーでは、引き札をコレクションして展示する企画展なども行われています。

■宣伝だけではなく、受け取った側のことも考える

日本で初めての販促品・ノベルティ(販促品の歴史)

引き札は街中で配られる他、多くの人が目にする銭湯などに貼られることで広告媒体として定着していきました。また、絵が描かれていて見栄えがすることから、家の壁や障子などに貼りつける家庭も多かったようで、いわば、家の中のインテリアとしても人気がありました。紙だけではなく、うちわに絵や宣伝文句を印刷した紙を張り付ける、今と同じような販促品も人気がありました。


明治時代以降の引き札は、さらに印刷技術が向上したことで、より鮮やかで、デザインや大きさも多彩になりました。絵があらかじめ描かれているものに、お店オリジナルの文章や店主からの挨拶文、今でいうキャッチコピーなどが書かれ、CMのような役割を果たすようになりました。
引き札の絵は、浮世絵の錦絵職人の末裔によって描かれていたといわれています。また、凝った内容の文章は、引き札を受け取った人にとても好評だったようです。平賀源内や仮名垣魯文、河竹黙阿弥など、人気作家が引き札の文章を書いていました。


引き札から始まったノベルティは、会社の名前を宣伝するだけではなく、受け取った人たちに喜んで使ってもらえる気持ちがもっとも大切です。事務仕事に欠かせないボールペンやクリアファイルなどの文具用品は間違いがないといえるグッズです。家庭向けのノベルティは、どんな家庭でも必ず使うマグネットやキッチングッズなども喜ばれます。また、街行く大勢の人に、企業やショップの名前やサービス内容をもっとも伝えることができ、多くの人に喜んでもらえるノベルティといえば、ポケットティッシュが挙げられます。

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